契約書はビジネスにおいて非常に重要な書類です。
グローバル化が進むにつれて契約書の翻訳ニーズは上がって来ていますが、直訳ではなく意図を読み取る力も必要になってきています。今回は、契約書の翻訳ができる翻訳会社に依頼するポイントや料金相場について解説します!
1. 契約書の翻訳とは
契約書の翻訳とは、異なる言語で作成された契約書を、法的に正確かつ理解しやすい形で他の言語に翻訳する作業のことを指します。
契約書は法的効力を持つ文書であるため、翻訳には高度な専門知識が求められます。
翻訳の誤りが契約の内容や解釈に影響を与える可能性があるため、正確さと専門性が非常に重要です。
▶1-1.契約書の翻訳が重要な理由
契約書の翻訳が重要な理由は、契約内容の正確な理解と法的効力の保持に直結するからです。海外の企業や個人と契約する際は契約書の翻訳が必要なため、翻訳が不正確であると、契約の内容が誤解されるリスクがあります。
しっかりと翻訳ができていなかった場合、契約の履行に支障をきたしたり、トラブルが発生したりする可能性が高まります。正確な翻訳を行うことで、契約の意図が確実に伝わり、法的効力の保持が可能です。
一般的に契約書の条文は難しく記載されています。
契約書は法的に拘束力のある文書であり、後のトラブルや紛争を防ぐために、曖昧さを排除した正確で具体的な表現が求められます。翻訳が不十分である場合、訴訟リスクも高くなるでしょう。
▶1-2.契約書の翻訳の難しさ
契約書の翻訳が重要な理由は、契約書の翻訳には、単語レベルではなく日本語の難しいニュアンスなども現地の人に伝わるように翻訳する必要があります。
単なる直訳ではなく文脈やニュアンスを理解した翻訳する力が重要になってきます。直訳とは、原文の言葉や文法をできるだけ忠実に他の言語に置き換える翻訳方法ですが、原文の構造や言い回しをそのまま翻訳するため、文章の意味が字面通りに伝わります。
そのため、誤解を招く表現が残ってしまったり、意味が伝わらないような表現もあるでしょう。国内取引であれば書かずとも伝わるような部分についても、国際取引では詳細に記載する必要が出てきます。
海外では「書類に記載されていることのみを実施する」という感覚が一般的であるため、抜け漏れや曖昧な表現は避けたほうが安全だと言えます。
2. 契約書の翻訳を無料ツールやAIに任せられない理由
契約書の翻訳を無料ツールやAIに任せられない理由は3つあります。
- 翻訳の揺れ
- 原文の誤り
- 文脈の理解
▶2-1.翻訳の揺れ
無料ツールやAI翻訳は、同じ言葉やフレーズでも文脈によって異なる訳語を出力することがあります。契約書では、特定の用語や表現が一貫して使われることが重要であり、翻訳の揺れがあると、文書全体の統一性が失われ、解釈の違いが生じるリスクがあります。
▶2-2.原文の誤り
契約書には専門的な法律用語や複雑な文構造が含まれていることが多く、無料ツールやAIは正確に理解し、翻訳することが難しい場合があります。原文に誤りや曖昧な表現が含まれている場合、機械翻訳はそのまま誤訳したり、誤解を招く訳文を生成したりする可能性が高いです。
▶2-3.文脈の理解
契約書は単なる単語の集合ではなく、法的背景や文脈に基づいて構成されています。文脈に適した表現や言い回しが選ばれないことがあります。重要なニュアンスや意味が失われ、契約書としての正確性が損なわれる可能性があります。
3. 契約書の翻訳の料金相場
契約書の翻訳の料金相場は3つに分かれます。
- 翻訳単価
- 費用内訳
- 追加費用
▶3-1.翻訳単価
翻訳会社に依頼する際、最初に考慮すべきは翻訳単価です。翻訳単価は、一般的に翻訳する言語や専門分野、文書の複雑さによって異なります。法律文書や技術文書の場合は1ワードあたり25円から50円以上になることがあります。
翻訳単価は依頼する文書の性質や求められる専門性により大きく変動するため、依頼前に見積もりを取得することが重要です。また、日本語→外国語よりも外国語→日本語翻訳の方が高額になりやすい傾向があります。
▶3-2.費用内訳
翻訳費用にはさまざまな内訳が含まれます。主な内訳は以下の通りです。
- 基本翻訳費用
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原文の文字数やワード数に基づいた基本的な翻訳料金。
- 校正費用
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翻訳後の文書を専門の校正者がチェックし、誤訳や不自然な表現を修正する費用。
- DTP費用
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翻訳文書を印刷や電子配布に適したフォーマットに整えるためのデスクトップパブリッシング(DTP)作業の費用。
例えば、基本翻訳費用が1ワードあたり20円で、5,000ワードの文書の場合、基本費用は100,000円です。これに校正費用が20,000円、DTP費用が10,000円かかる場合、合計で130,000円となります。
▶3-3.追加費用
場合によっては追加費用がかかる可能性があります。内訳は以下の通りです。
- 緊急対応費用
-
短期間での納品を希望する場合に追加される費用。通常の翻訳料金に対して20%から50%の上乗せとなることが多い。
- 専門用語調査費用
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特定の業界や技術に特化した専門用語の調査に必要な費用。これは特に新しい技術分野や特殊な法律分野の翻訳依頼するケース。
- レビュー費用
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複数の専門家によるレビューが必要な場合、そのための費用が追加。
また、上記以外に校正・クロスチェック・別途作業費用も必要となるケースもあります。
翻訳会社に依頼する際は、加算されやすい費用項目について詳しく確認し、予算をしっかりと把握しておくことが重要です。また、具体的な見積もりを取得することで、予期せぬ追加費用の発生を防ぐことができます。
4. 契約書の翻訳を依頼するときのポイント
契約書の翻訳を依頼するときのポイントは3つあります。
- 実績のチェック
- 総コストの算出
- セキュリティ対策の確認
▶4-1.実績のチェック
契約書の翻訳をプロに依頼することで、訴訟リスクの軽減とともに、意図が正確にクライアントに伝わる可能性が高まります。契約書は、その内容がビジネスや法的な関係を左右する重要な文書です。
そのため、専門的な知識と経験を持つ翻訳者が必要とされます。特に、法律用語や独特の表現は、誤訳や解釈の違いによって深刻な問題を引き起こすことがあります。
翻訳会社を選ぶ際には、実績やクライアントの評価をホームページで確認し、確かな信頼性を持つパートナーを選ぶことが成功の鍵となります。
▶4-2.総コストの算出
翻訳の総コストはもっと広い視野で考える必要があります。総コストとは、「(A)翻訳料金」に加え、「(B)翻訳会社から納品された後の訳文チェックや修正にかかるコスト」、さらに「(C)納品後のレイアウトや書式、図式の処理にかかるコスト」を指します。
翻訳を依頼する際には、単純な翻訳料金だけでなく、追加コストも含めて検討することが大切です。翻訳の際にかかる料金で説明したように何に金額が発生するのか押さえておくといいでしょう。
▶4-3.セキュリティ対策の確認
契約書や法的文書を翻訳する上で確認しておきたいのはどのくらいセキュリティが施されているのかという点でしょう。
ビジネスにおいて、契約書や公開前の商品の情報、研究の内容、個人情報など、第三者への漏洩を避けたい機密情報の含まれた原稿の翻訳依頼は多々あります。
機密情報が外に漏れないよう・オフィスのセキュリティ・情報に対するセキュリティがあるのかチェックしましょう。
5. まとめ
契約書の翻訳を翻訳会社に依頼する上で、料金相場・依頼する際のポイントについて解説しました。
翻訳会社を選ぶべきポイントについても記載させていただきましたが、いかがでしたでしょうか。弊社NTCネクスト株式会社では、法律、経済、技術論文、技術特許、医療などの専門性が高いものにも対応が可能です。
また情報セキュリティに関する国際規格であるISO 27001を取得しているため安心していただけるポイントだと考えております。法律翻訳をどの会社に任せたらいいか、わからない方はぜひ一度弊社に問い合わせしていただけますと幸いです。