コロナ禍でより財税赤字の拡大や不動産市場の低迷、債務拡大など問題が出てきてはいるものの、中国が世界最大級の市場であることは今も変わりありません。
時代が変革しつつあるものの、中国企業と契約を交わす日本企業も多いです。
そのため中国語の翻訳は必要とされていますが、中国企業と取引をする場合、契約書が必要です。翻訳する際には、どのような点に気を付ければいいのか解説します!
契約書に対する考え方の違い
企業が国際的にビジネスを展開する際、各国の契約書に対する考え方の違いを理解することが重要です。
特に、日本と海外では契約書の作成に対するアプローチに大きな違いがあります。以下、その特徴についてご紹介します。
▶ 日本の契約書
- 短く対応の余地が広い
- 相互信頼が主な考え
- 契約書に記載がない場合でも別途協議などが発生するリスト
日本の契約書は双方の信頼関係を前提に作成します。細かな取り決めをすべて明記するよりも、互いの理解や協力を重視する傾向があり性善説に基づいています。
たとえば、「問題が生じた場合は協議によって解決する」というような、状況に応じた対応を重視した表現が含まれることが多いです。契約書の内容は重要な事項に焦点を当てつつも、詳細な部分に関しては幅を持たせた記述が一般的です。
▶ 海外の契約書
- 長くて網羅的
- 契約書に記載されていないことは実施されない・曖昧な内容は排除
一方海外では、詳細な取り決めが不可欠とされています。契約書に記載されていないことは実施されないので日本のものと比べて契約書は非常に長く網羅的なものになっています。
海外ではトラブルが発生する可能性を想定して契約書が作成されるため、性悪説に基づいた考え方が反映されています。国際取引をする際には、契約内容を詳細に定めておくことで、リスクを事前に備えることができます。
中国語で契約書を結ぶ際の注意点3つ
中国語で契約書を結ぶ際の注意点は3つあります。
- 正確な表現
- 訴訟リスクの回避
- 業界ごとの慣例
▶ 正確な表現
専門家に任せるべき理由として、原文の意味や意図を理解し、翻訳先の言語や文化、法的背景に合わせた翻訳を行うことが挙げられます。
単に単語を置き換えるだけではなく、誤解を招かないように翻訳することが重要です。また契約当事者の権利や義務を正確に伝え、曖昧さや不明瞭さがないようにすることが後々のトラブルを防ぐことに繋がります。
▶ 訴訟リスクの回避
翻訳会社に任せるべきポイントは、訴訟リスクを下げるために、契約書の翻訳において正確性と法的適合性を確保することです。契約書は法的拘束力を持つ文書であり、誤訳や曖昧な表現が含まれると、当事者間での誤解や紛争が生じ、最終的には訴訟リスクが高まる可能性があります。
翻訳会社は、法律や業界の専門知識を持った翻訳者が、原文の意図を正確に反映しつつ、法的に適切な表現をすることでリスクを最小限に抑えることができます。
▶ 業界ごとの慣例
翻訳業者に任せると、業界ごとの慣例や特有の表現に詳しいため、文書の内容がその業界に合わせた形で翻訳されます。各業界には独自の用語や慣習があり、それを適切に反映させることで、翻訳がより自然で実務に即したものになります。翻訳業者はこれらの業界特有の知識を活かし、文書が正確で、かつその業界の期待に沿った内容となるように仕上げます。
中国企業と取引をする場合、中国特有の商慣習や法概念があることを考慮しなければなりません。考慮しなければいけない点はいくつかありますが特に・契約当事者・紛争解決事項・準拠法事項・言語事項について契約書を作成する際にはチェックしておくといいでしょう。
法律に関する書類を翻訳するための手段3つ
法律に関する書類を翻訳するための手段は3つあります。
- 自分で翻訳する
- 機械翻訳を使う
- 翻訳会社に依頼する
▶ 自分で翻訳する
自分で翻訳する場合、法律用語辞典や専門書を参考にすることで翻訳することも可能です。正確な用語を選ぶために、複数の辞書やリファレンスを利用し、翻訳精度を高めることができます。たとえば『ローダス21 最新法律英語辞典』は、第一線で活躍する国際派弁護士が、言葉の文化的背景や法概念の違いにまで触れながら解説しているのが特徴です。
上記のような本を活用しながら翻訳も可能ですが、商慣習なども理解していなければ訴訟リスクが高まるため自分で契約書などを作成する際には注意が必要です。
▶ 機械翻訳を使う
最近ではAIを活用した機械翻訳(Google翻訳やDeepLなど)が進化していますが、法律文書に関しては注意が必要です。機械翻訳は迅速に大まかな内容を把握するためには便利ですが、微妙なニュアンスや専門用語の正確な訳出は期待できない場合があります。
重要な書類の場合は、必ず専門家によるチェックが必要です。またAIは翻訳の揺れや原文の誤り、文脈の理解が苦手な特性もあるのでAIを活用したあとは厳重なチェックがトラブルを未然に防ぐことができるでしょう。
▶ 翻訳会社に依頼する
法律書類の翻訳は、専門知識を持つプロの翻訳者に依頼するのが最も確実な方法です。法律翻訳者は、法的な用語や各国の法体系に精通しており、正確かつ適切な翻訳を提供してくれます。特に契約書や合意書など、法律文書は一語一句が重要なため、専門的な翻訳が必要です。
翻訳会社に依頼をすることで事前にトラブルを防ぐことができます。
また、機密文書を扱う場合は特に翻訳会社に依頼するといいでしょう。セキュリティ対策も厳重に行っているため外部に漏れる心配がありません。
翻訳会社に依頼する前にチェックすべきこと3つ
翻訳会社に依頼する前にチェックすべきことは3つあります。
- 専門文やの対応力
- 品質体制管理
- 納期と対応スピード
▶ 専門分野の対応力
翻訳依頼において、依頼する内容がどの分野に属するかを明確にし、その分野に精通している翻訳会社を選ぶことが重要です。
各専門分野には、特有の用語や概念が多く存在します。例えば、法律文書では法律用語や判例に基づく表現が頻出し、技術文書では専門的な技術用語や業界特有のフレーズが使用されます。
翻訳会社に、その分野に特化した翻訳者がいるかどうかを確認します。例えば、法律翻訳を依頼する場合、その分野に精通した法学背景のある翻訳者がいることが望ましいです。
▶ 品質管理体制
翻訳の品質は、依頼内容の正確さや信頼性に大きく影響します。
そのため、翻訳会社がどのような品質管理体制を持っているかを確認することが重要です。品質管理体制がしっかりしている会社は、以下のプロセスを導入していることが多いです。
翻訳が完了した後、別の翻訳者や専門家がその内容をレビューし、誤訳やニュアンスのズレを修正するプロセスがあるか確認します。これにより、翻訳の精度と一貫性が保たれます。
▶ 納期と対応スピード
ビジネスやプロジェクトの進行において、翻訳の納期は非常に重要です。
翻訳会社がどの程度のスピードで対応できるか、また緊急の依頼にどのように対処するかを確認することが必要です。
緊急時に短期間での翻訳対応が可能かどうかを確認します。たとえば、1日以内に翻訳が必要な場合や、深夜対応が求められる場合などに、迅速に対応できる体制が整っているかを確認します。
納期を短縮する場合に追加料金が発生することがあるため、その料金体系についても確認しておくと良いでしょう。
これらのポイントを考慮して、信頼できる翻訳会社を選定することで、プロジェクトの成功につながる質の高い翻訳が期待できます。
まとめ
中国語の契約書を翻訳するに当たっての注意点と翻訳会社に依頼する前にチェックすべきポイントについて記載しましたがいかがでしたでしょうか。
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