日本の漫画を世界に向けて販売したいけど、翻訳ってどうすればいいの?
今回は、そのようなお悩みをお持ちの方に向けて、漫画翻訳のやり方と、それぞれの方法のメリット・デメリットを解説します。
日本発祥のコンテンツとして、世界的に高い支持を受ける漫画。原作の魅力や面白さはそのままに、世界に向けて発信できたら素敵ですよね。
この記事では、漫画翻訳の3つの方法とともに、もっとも安全で高品質な翻訳方法についても詳しくご紹介します。
「日本の漫画を世界に届けたい」と考えている方は、ぜひ最後までご覧ください。
漫画翻訳の主な方法とは?

漫画翻訳のやり方には、大きく分けて3つの方法があります。
- 無料翻訳アプリを使う方法
- 漫画専用の翻訳アプリを使う方法
- 翻訳会社に依頼する方法
それぞれにメリットとデメリットがあり、漫画翻訳の目的によって適した方法が違ってきます。
無料ツールはコスパ重視派におすすめですが、品質重視派には物足りないでしょう。
漫画翻訳専用のアプリや翻訳会社に依頼する方法は、コストがかかるものの精度の高い翻訳が期待できます。
詳しいメリット・デメリットを以下にて詳しく解説しますので、漫画翻訳のやり方を選ぶ際の参考にしてみてくださいね。
▶ 無料の翻訳ツールを使う方法
漫画翻訳のやり方1つ目は、無料の翻訳ツールを使うことです。
無料の翻訳ツールには、Google翻訳やDeepLなど信頼性の高い翻訳ツールがあります。
無料の翻訳ツールは主に、旅行の際の英会話や簡単なやりとりを翻訳するのに適しており、論文や契約書などの重要文書には不向きだとされています。
漫画翻訳はどうかというと、品質を重要視しない場合にはおすすめできるといえます。
漫画そのものの世界観を味わうというよりは、セリフが何を意味しているのか漠然と理解したいときなどには、無料の翻訳アプリで事足りるでしょう。
メリット
- 〇無料で使用できる
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無料の翻訳ツールのメリットは、Web漫画を翻訳する際「ページ翻訳機能」を使うと一瞬で翻訳できる点です。
- 〇ページ全体の翻訳など瞬時に反映できる
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漫画を瞬時に翻訳したいとき、すぐに読みたいときに役立つ方法です。
- 〇多言語対応(マイナー言語もカバー可能)
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Google翻訳は多言語に対応しているので、マイナーな言語に翻訳することも可能。
- 〇ニューラルネットワーク技術による翻訳精度の向上
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ユーザーが楽しく感じたり、美しいと感じたりしながら、快適にウェブサイトを利用できるように、全体をデザインします。
デメリット
- 〇文脈や文化的背景を理解できない
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文化的背景や文脈などを配慮しない翻訳になってしまう点です。
- 〇言葉のニュアンスやキャラの個性が失われやすい
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無料の翻訳ツールだと、万人に理解しやすい”直訳”になってしまうため、漫画そのものの世界観や設定に沿った言葉遣い、言葉選びまで正確に行うことが不可能です。
- 〇不自然な直訳になりがちで、作品の魅力が伝わりにくい
-
以前と比べて精度は上がっているものの、人間が手掛ける翻訳と比較すると品質は劣るでしょう。
▶ 漫画専用の翻訳アプリを使う方法
漫画翻訳のやり方2つ目は、漫画専用の翻訳アプリを使うことです。
漫画専用の翻訳アプリは、主にAI翻訳とプロのハイブリッドで翻訳する仕様が特徴です。
Web漫画に対応しているのはもちろん、紙媒体でもスマホをかざすと瞬時に翻訳できるため、海外の漫画を読むのが好きな人は、スマホに漫画専用の翻訳アプリを常備している人もいるかもしれませんね。
それでは、漫画専用の翻訳アプリのメリット・デメリットを見てみましょう。
メリット
- 〇翻訳スピードが速い
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翻訳アプリのメリットは、Web漫画を翻訳する際「ページ翻訳機能」を使うと一瞬で翻訳できる点です。
- 〇AI翻訳に加え、人の手による修正で一定の自然さがある
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AIのスピーディーな翻訳と、プロの正確な修正が合わさることで、素早く高品質な翻訳ができるという強みがあります。
- 〇スマホで手軽に使える
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一瞬で翻訳できるという点は、無料ツールと共通したメリットでもありますが、漫画専用の翻訳アプリの場合はより自然でニュアンスを捉えた翻訳が可能です。
デメリット
- 〇対応言語が限られる(英語や中国語が中心)
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漫画専用の翻訳アプリのデメリットは、対応言語が少ない点です。
- 〇マイナー言語では精度が落ちる可能性あり
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英語や中国語などメジャーな言語には柔軟に対応していますが、マイナーな言語の場合は対応していない、もしくは品質が落ちる可能性があります。
- 〇プロによる完全な翻訳と比べてクオリティに限界がある
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無料ツールよりは翻訳の違和感は少ないですが、正確性が高いかというと、プロが手掛ける翻訳と比べて劣るでしょう。
▶ 翻訳会社に依頼する方法
漫画翻訳のやり方3つ目は、翻訳会社に依頼することです。
今回ご紹介する漫画翻訳のやり方の中で、もっとも正確性が高く安全なのが、翻訳会社に依頼するという方法。
漫画翻訳は、単純に言語から言語へ変換すれば良いというものではありません。
漫画は独自の世界観や作者の意図、時代背景などが深く反映された作品です。
それらを損なうことなく、読み手の心に響く翻訳を行うには、専門的なスキルが求められます。
漫画翻訳を翻訳会社に依頼するメリット・デメリットについて見ていきましょう。
メリット
- 〇高品質で正確な翻訳が可能
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翻訳会社に依頼するメリットは、品質が保証される点です。
翻訳会社に依頼すると、漫画翻訳の専門家が責任を持って翻訳を担当します。
- 〇キャラクターの口調や世界観を再現できる
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まずは作品を読み込むところから始めたり、作者が作品に込めた思いを理解したりするところから徹底して翻訳をスタート。
- 〇ネイティブチェックなど、品質管理体制が整っている
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翻訳する言語を母国語として使うネイティブスピーカーがチェックする「ネイティブチェック体制」が整っていることもあります。無料ツールや漫画専用の翻訳アプリを使うよりも、厳重なチェック体制のもと行われます。
デメリット
- 〇無料ツールやアプリに比べて費用がかかる
-
翻訳会社に依頼するデメリットは、無料ツールや翻訳アプリと比較してコストがかかる点です。何人もの担当者が責任を持って翻訳に携わるため、ツールやアプリを使うよりもコストがかかるでしょう。
- 〇翻訳完了まである程度の納期が必要
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翻訳会社に依頼すると、無料ツールや漫画専用の翻訳アプリと比べて厳しい基準のもと、丁寧に翻訳が行われます。その分、翻訳の時間もかかります。
日本の漫画を世界に発信するために翻訳のやり方を探しているのであれば、品質を優先することが望ましいでしょう。
漫画翻訳の課題点

漫画のセリフは短く、単調だから翻訳も簡単なのでは?
そんなふうに思われることがあるかもしれません。
しかし、漫画は作者の想いが込められた、深い世界観を持つ一つの作品です。
作者と読者にしかわからないニュアンスや空気感が散りばめられており、単なる文字の置き換えではその魅力を正しく伝えることはできません。
日本の漫画を世界に発信するなら、できるだけ原作のニュアンスに忠実に、1ミリのズレもなく魅力を伝えることが理想です。
ところが、漫画翻訳には今もなお、完全には解決されていないさまざまな課題が存在します。
▶ 意味が正確に伝わらないことがある
まず、翻訳によって原文と異なる意味になるケースがあります。
日本語には独特の言い回しや曖昧表現が多く、それらを他言語に直訳してしまうと意味が通じなくなったり、逆の意味に伝わってしまうことさえあります。
たとえば皮肉、比喩、あえて曖昧にしたセリフなどは、文脈と文化的背景の理解がないと適切に訳すことができません。
世界的にも難易度が高いとされる日本語を、他言語で正確に表現するのは容易ではないのです。
▶ 訳抜け・訳過多が起こりやすい
次に、訳抜けや訳過多もよくある課題です。
- 訳過多:原文にはない情報や意味を足してしまい、誤解を生む状態。
- 訳抜け:本来翻訳すべき重要な語句やセリフが抜け落ちてしまい、読者に情報が伝わらない状態。
これらは、特にAI翻訳やツール翻訳を使った場合に起こりやすく、本来のストーリーの流れを壊してしまう要因となります。
正確な翻訳を行うためには、対象言語・文化に合わせて表現を調整する「ローカライズ」の技術が必要です。
この工程が不十分な場合、訳抜けや訳過多が生じてしまうのです。
▶ 文法・スペルミスがある
漫画翻訳の三つ目の課題は、文法やスペルの誤りです。
日本の漫画を読んだことがあるという海外の読者の中には
「読めないほどのスペルミスがある」
「文脈が読み取れないほどの文法ミスがある」
という感想を抱くことがあるそうです。
これらは主に、自動翻訳ツールや精度の低いサービスを使った場合に発生しやすい問題です。
しかし、翻訳会社やプロの翻訳者に依頼することで、こうしたミスを防ぎ、自然で読みやすい翻訳に仕上げることが可能です。
漫画翻訳は翻訳会社に依頼するのがおすすめ
ここまでで、漫画翻訳のさまざまなやり方をご紹介してきました。
ツールやアプリを使う方法、そして翻訳会社に依頼する方法を解説しましたが、もっとも推奨されているのは翻訳会社への依頼です。
個人的な娯楽ではなく、世界に向けて日本の漫画を発信する際には特に、翻訳会社でプロが翻訳を手掛けることが確実でしょう。
ここからは、なぜ漫画翻訳をする際に翻訳会社への依頼が推奨されているのか解説していきます。
▶ 世界に向けてにわかりやすく自然な翻訳が可能
漫画翻訳を翻訳会社に依頼するのがおすすめの理由は、世界に向けてわかりやすく翻訳できるからです。
ツールやアプリを使うと、直訳はできるがわかりやすく翻訳することが難しいとされています。特に漫画翻訳となると、主人公の決めゼリフや特徴的な話し方、語尾など、その作品ならではの魅力があります。
それらを1つたりとも損なうことなく、正確に翻訳できるのは、プロの翻訳家に依頼する強みでしょう。
▶ ローカライズ対応で文化差にも配慮
漫画翻訳を翻訳会社に依頼するのがおすすめの理由は、ローカライズができるからです。
ローカライズとは、日本語特有の言葉やギャグ、方言などを対象言語で自然な形に置き換える方法です。
たとえば、日本で流行っている言葉や若者言葉をそのまま外国語に訳しても、世界中の読者に伝わるわけではありませんよね。
翻訳後の言語に置き換えるとどのような表現が自然か、適用国での流行り言葉で匹敵するものがあるかどうか、深くまで追求して翻訳するのが「ローカライズ」です。
これはAIやツールでは対応しきれないプロの技術です。
ローカライズができることは、翻訳会社に依頼する強みの1つでしょう。
▶ ネイティブチェックによる品質保証
漫画翻訳を翻訳会社に依頼するのがおすすめの理由は、ネイティブチェックがあるからです。
ネイティブチェックとは、翻訳後の言語を母国語としているネイティブスピーカーが、自然な翻訳になっているかどうかチェックする制度のことです。
翻訳する言語に知識があっても、その言語を母国語として使っていなければ、100%自然な翻訳にすることは難しいとされています。
ネイティブチェックをすることで、翻訳後の言語で読んだときに正確に理解できるか、原作の良さが伝わるか、細かな部分まで突き詰めることができます。
ネイティブチェックは、ツールやアプリでは得られない強みの1つでしょう。
ネイティブチェックについて詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

まとめ
漫画翻訳にはさまざまな方法がありますが、品質や正確性、世界観の維持を重視するのであれば、翻訳会社に依頼するのがベストです。
NTCネクストでは、漫画翻訳の実績も豊富で、
- 高品質
- コストパフォーマンス
- スピーディーな対応
といった点で多くのお客様から高い評価をいただいています。
日本の漫画を世界に発信したいとお考えの方は、ぜひ一度NTCネクストにご相談ください。
